今日は学会で丹波国安国寺に行ってきた。

ずっと前から行きたかった、丹波安国寺。


安国寺は足利尊氏・直義兄弟が夢窓疎石の進言によって、建武動乱の戦没者慰霊のため、全国六十六州に建立したことが起源であり、ここはその安国寺の筆頭である。


京都府綾部市にあって、この辺は足利尊氏・直義兄弟の生母である上杉清子の故郷であり、尊氏もここで生まれたと考えられている。今話題の上杉氏はここにあったと推定される上杉庄が名字の地であって、元は勧修寺氏の出である。


建物は江戸時代に山津波があって全壊したので江戸時代の再建だが、重要文化財地蔵菩薩像や釈迦三尊像があったりと色々宝物の多い寺。

ここは本堂。



これが左から上杉清子、足利尊氏、妻の赤橋登子の宝筺院塔である。尊氏のは分骨塔、他のはお墓と伝わっている。


解説してくださった大先生が、「昔舞鶴の海軍の軍人が来て、これを倒していったことがある」とお話してくださった。確かに補修の後があった。



尊氏の産湯に使ったという井戸。


他にも安国寺には尊氏の産毛や産着と伝わっているものがあり、これは『蔭涼軒日録』という史料に足利義政がこれを見たという記事がある。一応これも見た。髪の毛はぱさぱさしていた。


今日のメインはここに伝来してきた重要文化財安国寺文書の見学である。


これは非常に楽しかった。大先生の解説も付いていて、いろいろなことを教わった。


武家文書に特徴的な折り方、花押の写り込み、訂正の裏花押、訂正のために文書の表面を削って書き直した後、翻刻と原文書の付年号の位置の相違などそういった原文書でしかわからないことがわかって非常に面白かった。奉行人の筆跡などの話や料紙の使い方などはやっぱり原文書を見ないとわかんないんだな!!と強く思った次第でした。


翻刻と原文書って結構かけ離れているんだなあ・・・やっぱりそういうものはきちんと見ないといけませんね!



帰ってきたあとは懇親会に参加して、いろいろお話も伺えて楽しかった。某大学の先輩にまるで自分の大学の後輩であるかのようにいろいろと教えていただいて、大変ありがたかった。この場を借りて御礼申し上げます。


見てないと思うけど。