京都・同和「裏」行政──現役市会議員が見た「虚構」と「真実」 (講談社+α新書)

京都・同和「裏」行政──現役市会議員が見た「虚構」と「真実」 (講談社+α新書)

村山祥栄『京都・同和「裏」行政 現役市会議員が見た「虚実」と「真実」』

これ、おもしろかったyo!!

京都市民必読の書!!


以下、ネタバレ。


京都市行政の裏を議員の独自の調査に基づいて、税金の無駄遣いや官官の癒着を暴きだした傑作です。


独自の調査といっても、京都市の交通局にアポなし突撃をしたり、施設にアポなし取材をしたり、事務所の前で張り込んで職員の出入りを調べたりとなかなか探偵みたいな調査の方法をしています。さらに旧同和地区やその近隣住民にアンケートを行い、住民の意識を浮き彫りにしています。


そこからわかるのは市からの優遇政策によって逆差別が発生した歴史と市職員のおかしな勤務実態や癒着ぶりです。


以前テレビ等で京都市環境局・交通局職員、市役所内部の職員の一連の不祥事が相次ぎましたが、どうやら著者が先頭に立って不正を暴いていたそうです。

同和問題というといろんな意味で興味関心を引くテーマですが、この本は差別の歴史がどうのこうとかグダグダ書いておらず、もっぱら京都市行政の批判になっている点で面白く読めました。


ちょうど京都市は2月17日に市長選挙があり、著者も立候補するそうです。京都市に税金を払っている身としては、行く末が気になるところですね。