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行ってきました。
ついについについに念願の狩野永徳!狩野永徳!!
狩野永徳!!!
いやあもう素晴らしかったの一言に尽きます。
日本史上における、近代以前のバブル!!!
これだけ近世京都画壇が流行り、若冲ブームが起きる中、敢えて原点に立ちかえった企画は、もっともっともっと注目されてもいいはずです。近世以降の絵画の原点は、すべて狩野永徳に起因しているといっても過言ではない!!
あの著名な唐獅子図屏風、国宝檜図、国宝洛中洛外図屏風!!この他に大徳寺聚光院の水墨障壁画!!
正直、水墨はそんな大したことないなあと思いながら見ていたのです。水墨を見るのであればやっぱり雪舟です。太くて黒々したい輪郭に、ダイナミックな墨絵を描くのですが、どうも水墨だと粗っぽく見えてしまうのですよね・・・確かに荒っぽい。粗放といってもいい。あんまりピンとこなかったのは事実です。
それとは対照的に風俗画や金碧障屏画なんかはもう王道!!ダイナミックな絵画がいきなりあらわれてびっくり!!
今まで狩野派って言うと成金趣味みたいなところもあるなあと思っていたけど、実際に見てみると必ずしもそんなことない。結構きちんと書かれているし、金碧についてもそんなに派手派手しくない。
松の緑と岩の碧、川の群青、黒々とした松の幹と背景の金。絶妙なバランスです。四季花鳥図屏風の雪や大きな松、鶴の色使いなんかは、やはり見るべきものがあります。永徳らしい松の根っこや岩のごつごつとした感じ、突き抜けている植物。
こんなダイナミックで雄々しい絵画は信長秀吉に好まれたというのは想像に難くありません。なんというか武家好みです。雪舟のような坊主や公家好みではなく、武家向け。かの有名な洛中洛外図屏風も将軍家第十三代足利義輝が描かせたというのだから。
もうでもやっぱり狩野永徳で一番有名なのは、唐獅子図屏風でしょう!!旧御物のため、国宝にはなっていませんが、あれはものすごい!!!
あんなド迫力の絵画をかける画家は他にいるのでしょうか!?雪舟でも円山応挙でも曽我蕭白でもあんなにすげえのは描けていないように思います。屏風自体の大きさが桁はずれ。2m超える高さに、4mは超える幅。そこに鮮やかな金泥、紺碧で描かれた岩がガツンと居座り、その真ん中を猛々しい獅子2匹がのっしのっし歩く!!そんな絵画は他にはありません。
まだ尾形光琳や俵屋宗達を見ていませんからなんとも言い切れませんが、あれはマジですごかった。
時の権力者に庇護された狩野派はこのあと極度の様式化をして、江戸期には様式を守ることに集中していきます。
そこから尾形光琳も、俵谷宗達も、円山応挙も、伊藤若冲も、曽我蕭白もみんな狩野派を学び、狩野派から逸脱していったのです。実見して初めて思いましたけど、確かにそれだけの影響がある画家です。あれはすごかった。雪舟に次いで国宝指定の多い画家ですからね。
京都限定での開催です。ぜひとも行ってみてください。必見!!!
そして3年後、長谷川等伯が京都国立博物館にやってくる・・・これはまた一大事!!天下を動転させる一大事!!!
3年後の京都が楽しみになってきました・・・今からとても楽しみです。
なぜ私は没後500年雪舟展に行かなかったのであろうか。
頭がおかしかったとしかいいようがない。