昨日は祇園祭の宵々山。


先輩に誘われて、祇園社へ神輿に神様を遷す儀式を観に行ってきた。


写真撮影が一切禁止されていたので、撮影は叶わなかったのだが、神事を肌で感じることが出来る絶好の機会であった。


午後八時前、祇園社本殿前に着到。


とりあえず儀式が始まりそうな感じで神職が準備している。


ついたところで儀式開始。


本殿が開かれて、なかで関係者が座っていて、神職も立烏帽子に白い直垂を着て列座。


すぐに祝詞やら供物やら玉串やらが捧げられること10分程度。


神職が「厳粛な神事です。カメラによる撮影は禁止とさせていただきます。光の出る物、携帯電話、カメラ、ビデオカメラによる撮影はご遠慮下さい」となんども群衆に声を掛ける。本殿の中では白い幕が出される。


「これより境内の明かりを一切消します」とのアナウンス。



すると本殿、無殿から明かりが消えていき、近くで営業していたたこ焼き屋の屋台も消灯。


境内は本物の闇に包まれて、明かりは天に輝く星だけになる。


しばらくして本殿の中から箏とおぼしき音色が響いてくる。奥の方でちらちらあかりが漏れる。


ゆっくりと時間を掛けて白直垂姿の神職らが警蹕(けいひつ)をしながら進み出てくる。けいひつとは貴人の進む道、あるいは神体が渡御する際、邪気を祓うための音声。オーとウーの間くらいの声を発しながら、玉串を振りながら進む。


ご神体は鏡だが、ご神体を抱えている神職は白い布幕のようなものに包まれている。数人の神官が幕を支える棒で持って彼らを囲んで外から一切みえないようにする。


光があるのは、神職が足下を照らすものだけ。


やがれ無殿に至り、中心にある東御座へご神体を遷す。白い幕を広げて、中でゴニョゴニョやっているのだが見えない。ただ二拍の音だけが聞こえてくる。


そして北側に鎮座している神輿へ。最後に南側に鎮座している神輿へ。


ゆっくりとした所作。


やり終えた後、警蹕を行いながらゆっくりとまた本殿に戻っていく。


その後、明かりが点いて元通りとなる。



しかし、あれだけ神職が撮影禁止のアナウンスをしていたのに、後から来たであろうアホンダラがフラッシュ焚いて写真取ったり、後ろの方ではケータイのライト付けてなにやら見ているウンコタレどもがざわざわ騒いでいて、神事の雰囲気が台無しにされていた。


あれで本当にご神体は渡御できたのであろうか。



そもそも祇園祭が八坂神社の祭りだと知っている人は全体の1割に満たないだろうし、神様なんていないと思っている人がほとんどだろうから意味がわからないんだろうなあ・・・


検非違使の格好した神職がつまみだせばよかったのに。きっと今頃写真を撮っていた奴、ケータイのライトをつけていた奴は日本国中大小神祇別しては八坂大明神の御罰を84000の毛穴毎に蒙っていることであろうよ。そうでないと気が済まん!!


神事を穢した御罰を罷り蒙るがいい!!



なにはともあれ、貴族の日記等でよく出てくる警蹕が聞けたし、祇園祭でもっとも重要とさえいえる神事を目の当たりにできたのだから、それだけでも誠に嬉しい。


先輩によれば、三年前はもっと人も少なく神事が始まると同時にシーンとなってものすごく神秘的であったとのこと。こんなに人もいなかったし、フラッシュもなかったと。さらにご神体を持っている人が透けて見えたり、神輿にご神体を遷している様もうっすら見えたとのこと。ご神体は鏡(これは一般的にそう)で、それを神輿についている鏡と対照させて神様を神輿に遷座させるのだそう。


それが見えなくてもいいから、もっと静かに静粛な状態で神事が見たかったなあ。




神事終了後、今度は山鉾を観に行った。


これは橋弁慶山。


弁慶と牛若丸の人形なのだが、どちらも中世の物をそのまま使っている!どちらかが天文6年(1537)、もう一つが永禄年間だそうだ!特に天文年間であれば、足利将軍家だってまだ12代義晴、13代義輝の頃だから将軍家が見ていた物を見ていることになる!永禄年間だったら信長だって見ているぞ!


こういうのが現役で使われているっていうのが京都の恐ろしさ!他にも天文6年に作られたという像を見たし、中世の商人は儲かってたんだなあ!!



いわずとしれた長刀鉾


やっぱりこれは迫力が違う!大きいしすごくキレイ!!


曳き初めの日に行けば、ここに登れるチケットがもらえるらしい。来年は曳き初め行くぞ!!



これは船鉾の一部分。船の舵。


この舵、螺鈿を使ってものすごくきれいに作られている!!


すごくお金掛かってるんだろうなあ・・・



他にも月鉾と岩戸山に登ってきた。


月鉾すごい高い!あそこに腰掛けて金ならしたり笛吹いたりするんだからすごいよ!中はものすごい熱気になりそうだし。


岩戸山でも結構な高さあったからなあ。



宵山とかにいくと人が多すぎて落ち着いてみられなかったけど、今年は先輩の誘いもあっていろいろ見られて楽しかった。特に八坂で行われる儀式を見られたのは大きかったな。あれこそ祇園御霊会の本髄という感じを受けたぜ!


いずれにしても男の暑い熱気!このくそ暑い時期に、疫病が流行りそうな時期に、熱気のこもったことをするから疫気を祓うことが出来るんだな!


なんか今年はそういうことを感じることが出来たいい祇園祭であった。来年もいろいろ行こう!