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今日は補講があったので、授業に行ってきた。といってもTAだけど。
そのなかで、興味深かったことがある。
延暦寺は言わずとしれた天台宗の総本山で、最澄が開いた寺であるが、延暦寺には今でも最澄の墓を守る浄土院という寺がある。
そこは最澄の墓であるから叡山でも重要視されていて、そこを管理する人の選定も延暦寺では重要議題だそうだ。
浄土院を管理する人はなんと一人で寝起きし、浄土院から出ないのだそうだ。日の出とともに起床し自分で朝食を作り、朝の勤行をしたのち、朝食を取る。昼食は午前十時でそれ以降夕方四時まで昼の勤行。四時に夕食を取ったあとは掃除と学問をして就寝。
こんな生活をたった独りで過ごして、本当に山から出ないで生活しているらしい。先生がその人に会ったときは、12年は浄土院から出ておらず、両親が延暦寺に来てすぐ側まで来ていても、会ってはならないらしく、家族ともずっと会わないで独りで生活してきたのだそうだ。
ユネスコが世界遺産登録のために延暦寺に来たとき、浄土院の僧の様子を見て、あまりに感動して世界遺産登録の大きな要因になったそうである。
先生曰く非常に清らかなオーラを身にまとっていたそうである。
本当に「今どき」そんなことをしている人がいるなんて、マジで驚いたものである。日本史やってておどろくこともあるけど、今回のはかなりの部類に入る。
そして延暦寺の寺院組織の堅固さにも感心したよ。
最近、天台座主と高野山座主が1200年ぶりの公式交流を果たす予定になっているというニュースを見たけど、最澄と空海以来、天台・真言は公式には没交渉であったわけで(天台座主の私的な高野山訪問はあったらしい)、寺院間の対立構造はなかなか直らないのだと思ったのである。
それにもまして浄土院の坊さんの信仰に対する熱意とそれを堅持する延暦寺の組織に感服致しました。