旧友が地元から上洛してきた。


就職が決まって、摂津国福原に研修でやってきたのだ。


その帰りに入洛してもらった。


新婚ほやほやの野郎で、新婚生活の彼是について云々してきたのである。


就職したばかりで福原に来たのも人生初だったはずだし、ましてや関西人の海の荒くれ者どもに囲まれた生活を一週間も送った彼は関西人の言葉のきつさに辟易しているようであった。


俺も就職してそう思ったけど、今は昔の話である。


しかし新婚ほやほやで新社会人だというのに何も変わらない奴だ。見た目も中身もそう変化していないように見えるけど、もう妻帯している身で一介の企業人である。


前に京都で会ったときは俺がまだ学生だった。一年前に地元で会ったときは俺が会社員で奴は学生だった。今は俺が学生で奴が社会人。


時が経つのは早いものだ。


それでも変わらぬつきあいが続くというのはいいものである。


多分五月に行くからよろしく頼むよ。