おくりびと


見てきた。


前々からテーマ的には気になっていたのでそのうち見ようとは思っていたのだけど、アカデミー賞外国語映画賞を取ったので見に行ってきた。




本当に久しぶりに映画館で泣いた。





それくらいよい映画であった。良いというよりは、好みのテーマであり内容であった。


以下ネタバレなので見ていない人は要注意。











もっくんはゲロを吐こうが何をしようが絵になる。


死に化粧をする所作はそれはもう美しいものであった。衣擦れの音が耳に心地よい。



物語は先が読めてしまったり、若干わかりにくい部分もあったのだけど、なんというか生物の死とそれを巡る感情にぐらぐら動かされたのであった。



色々なところに納棺士に対する差別感情が散りばめられていたのもよかった。CMで広末が「さわらないで!汚らわしい!!」と叫ぶシーンだけでなく、友人が露骨に忠告したり、「一生この人みたいな仕事して償っていくのか!?」というセリフがあったり。


何よりも広末が実家に帰って、その後戻ってきたときにおいても「お金はいらないから三人で暮らそう」っていう言葉の意味に興味深さを感じた。



でももっくんは辞めないんだな。河豚の白子(生命の象徴!!)を食べてうまいって行ったり、もっくんが勤めている会社の社長は生き物を直接的には食べないで生きている植物まみれの部屋に住んでいたり、棺桶積んだ車の中でおむすび食べたり。


そういう「生きるためには生き物を殺して食物を得るしかないんだ!」というありがちだけど、忘れてしまいがちなことが細々と描かれていたということも見ていてうれしくなった。最近自分自身が考えている「生き物を殺して生きているということ」が触れられていてなんだかうれしくなった。



こういうテーマをやるときに雪とか雪山とか東北弁って特別の哀愁を誘うような気がする。



それにしても広末涼子の人妻ぶりには打ちのめされた。本当にズキュゥゥゥンと胸を打たれた。あまりの可愛さにメメメメメとなりました。しかし夫が葬儀屋と知ったときの豹変ぶりにも驚かされたけど。広末のパンツ!!!


社長もよかったなあ・・・池と沼の違いって何?カッパがいるかいないかだよ。



日本人の死生観がどうのこうの言うつもりはさらさらないのでそういうことは専門家に任せます。



映画館で、同じ映画で2回も泣かされた。泣かされたからいい映画というわけじゃないのだけど、でもいい映画でした。DVD欲しいかも。