■
今日は、湖北探検ツアーです。
といっても一か所だけだけど。
湖北唯一といってもいい、足利氏にゆかりのある寺があります。
神照寺は真言宗の寺で、観応の擾乱の際、尊氏と直義の講和が行われた寺です。行ってみるとちょっと手入れがされていないようなお寺でしたが、国宝級の寺宝を持っていたり、足利尊氏手植えと伝えられる萩が群生しており、萩の寺といて著名です。
問題はもう一つの安楽寺です。
安楽寺はなんと足利尊氏の菩提寺になっており、境内には足利尊氏の爪を葬ってある爪墓があります。等持院においてある本体の墓は宝筐院塔でこちらにあるのは多宝塔でした。墓の古さからすると結構昔までさかのぼれそうですが、詳細は不明。サイズは田路院のものより大きかったです。
なぜこの寺にそんなものがあるかといいますと、寺伝に拠れば観応の擾乱のとき、弟直義を討つべく京都からやってきた尊氏はこの付近で馬が進まなくなってしまいました。その時、この寺の住職に聞いたところ、進路に呪いの掛かった石があるため進めなくなったことがわかり、その石を寺に奉納したことで進軍を続けることができたそうです。その功によって足利氏の菩提寺となったとかいうことを、お寺の奥さんに聞きました(閉店直後に行ったのですが、入れてくれた上に、遠くから来たことを告げると抹茶を出してくれました。その折にいろいろと聞かせてもらったのです)。
戦時中には、尊氏の墓を憲兵が壊しにきたそうなんですが、時の住職が憲兵を抱き込んだのだとか。おかげさまで素晴らしいものが伝わっています。
尊氏の墓だけでなく、安楽寺には夢窓疎石作庭と伝わる庭があります。
実際に等持院の庭や天竜寺の庭と似ているものだからびっくりしました。ぱっと見た瞬間に等持院を思い出しました。池が琵琶湖の形をしており、小ぶりの岩に躑躅が植わっていて、鶴亀の岩組があって等持院によく似ています。
このお庭、手入れが行き届いていて、見ていてとても気持ちいい。夢窓疎石の庭はこじんまりとしているのですが、なんか落ち着くのです。
他にも江戸期になりますが、白隠禅司の絵画や海北友松の掛け軸など、結構きちんとしたものも伝わっていて由緒を感じさせます。
そして、奥さんに教えていただいたのですが、なんと『全国足利氏ゆかりの会』なるものがあるのです!!!
→http://www.ashikagauji.net/
足利氏にゆかりのある寺社や自治体が加入しているのです。大河ドラマを契機に作られたらしいのですが、今年の時代祭の足利氏行列にもかかわりがあるとか。
いやあ、入りたいです!!!
そしてまだまだ全国には足利氏関係の遺跡があることがわかりました。是非とも行かねば!!!