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- 作者: 森見登美彦
- 出版社/メーカー: 太田出版
- 発売日: 2004/12
- メディア: 単行本
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これは『太陽の塔』と『夜は短し、歩けよ乙女』の中間の話である。といってもストーリーにつながりは一切なく、登場人物がつながっているという話なのだが。
四畳半のうちとそとで繰り広げられる、パラレルワールドの世界である。結局黒い糸でボンレスハムのように雁字搦めにされているのだ。
ぬらりひょんのような風貌で10人中7人はかろうじて人と見分けられ、残り3人は間違いなく妖怪と看做される小津、歯に衣着せぬ物言いで敬して遠ざけられている明石、いつも紺色の浴衣を着ている樋口、歯科助手の羽貫、香織と暮らしている城ヶ崎などなど個性的な人物が登場し、なんども繰り広げられる群像劇。
そしてある時気づく、主人公。
これは四畳半の内と外で繰り広げられた神話である。
最後はとても良い展開になった。私は気に入った。成就した恋の話ほどつまらぬものはない。その辺の話はしないことにする。
しかしここ数日トミーにハマりっぱなしだ。もう我が家にはトミー本のストックがない。どうしよう。買うべきか否か。
だれか買ってくれ。私を救ってくれ。