■
- 作者: 今谷明
- 出版社/メーカー: 中央公論社
- 発売日: 1990/07/01
- メディア: 新書
- 購入: 3人 クリック: 40回
- この商品を含むブログ (22件) を見る
これも面白かったぁ・・・
名著って言われている今谷明先生の作品ですよ。
足利義満の王権簒奪計画。今の学界だと、割と否定されていると理解しているけど、一この作品としてはすごく面白かった。というより、一足利ファンとして、楽しめた。ここまで足利家の権威が上がるのかと。
でもやっぱりいろいろ問題点はあるように思う。
一番の問題点は(どこかの論文か本で読んだんだけど)、義満が日本国王という称号を明から得て冊封体制に入っているけど、その称号を国内に使用した形跡がないということなんですよね(有名な人が書いていたような気がするけど、失念した)。
これをもって、王権を簒奪する意志があったかどうかっていう話になるみたいなんだけどね。
もちろん面白かったところはほとんどで、今学界で言われている、南北朝後期に朝廷の権限を吸収して幕府が大きくなったというのは、佐藤進一氏と今谷明氏のおかげなんだね。呼んでみて、改めて思ったよ。
官途任免権とか、国家祭祀権とか他にも色々な権限を奪っていってましたからね。その辺の描き方とかは面白かったし、義満のやり方もすごかった。義満没後の話もかなり楽しく読めました。
とかなんとかいいつつ、南北朝後期以降は勉強不足であんまりわからないんですけどね。いろんな本があるけど、全然読んでないものばかりで、なんか絶望的な気分になったけど、ゆっくり古典でも読んでいこうかなという気分になったよ。
こういう新書は手軽でかつ学術的なことが学べるから大助かりだぜ。これからも、読み続けよう。
こっちも充実させないと、不動産も充実しないわ!!