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- 出版社/メーカー: 東宝
- 発売日: 2006/04/28
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やはり三島ファンとしては気になるわけで、見たかったわけです。
以下、ネタバレです。
最初は妻夫木聡と竹内結子のコンビに違和感があったんだけど、見ていくうちに引き込まれていって、最後の方は清顕と聡子にしか見えないくらいの演技でした。
わりと原作に忠実な、というより要所要所を抑えた作りで、世帯主が横でパソコンをしていて若干興を殺がれたけども、なかなか良い映画だったと思います。
特に宮家との婚儀が決まって、清顕と聡子が禁断の愛に走るとこなんか、ああもう清様〜という具合で、三島のちょっと茹だるようなエロティシズムが美しい映像とともにあふれていました。
最後の出家する場面や清顕がなんども参る場面は鬼気迫る演技で、竹内結子が髪の毛を切っているシーンは聡子が憑依してるんじゃないかと思うくらい迫力のあるものでした。
追加しているシーンはいらないっちゃいらないけども、あってもいいシーンだったので、まあいいんじゃないでしょうか?
ただ原作を読んだとき(過去ログ参照)は、これを純愛ものとは全然受け取れませんでした。確かに清顕と聡子はお互い相思相愛なんだろうけど、宮家に逆らって、一般的な人倫に叛く行為をして、しかも孕ませているわけなんだから、やってることはそんな美しいもんじゃありません。
ただそれが三島由紀夫の美しい文章で書かれると、全然不貞に見えないところが彼のすごさで、「それがなにか問題でも・・・?」という具合に圧倒的に正当化し、その愛してはいけない愛を愛することができる物語になっていることが、良いのです。