木を植えた人

木を植えた人


小学6年生のときの国語の教科書になっていた話の本です。


1910年代、荒涼とした南フランスのプロヴァンス地方に旅をした主人公が、人里離れた荒野でひたすら木を植え続ける老人と出会う。


1子と妻に先立たれた老人は、プロヴァンスの荒野に一人で住み、荒野を蘇らせようとひたすら木の種を植え続け、30年後には広大な緑が広がる世界が現出するというショートストーリー。

途中第一次、第二次世界大戦があり、世間では戦にいそしみ国民生活や疲弊していても、老人が植え続けていたところに、老人が植えた木を燃料として伐採しようとするも、結局取りやめになりひたすら木を植え続ける。


荒野は豊かな森林に生まれ変わり、すさんでいた人々の心にも豊かさと愛を与え、清潔で暖かい生活が老人の行為によって派生したのである。


老人にとってはなんの報いもないのに、ただひらすら木を植え続け事を成す。高潔であり、無償の働き。


最初に読んだときは子供ながらに、静かな感動に包まれたことを覚えています。ただひたすら報いもないのに木を植え続けるなんて・・・


しかもその行為がほかの人々を幸せにする。それを知らないで老人はひたすら木を植え続ける。


ジャン・ジオノという作家の手になる作品ですが、後からじわじわくる暖かさと清潔さが、しみじみとした感動を植えつける非常によい本です。我執にとらわれないで行う行為のなんと潔いこと。


読み返して、改めてそう思いました。来年からはそういう人物になれるように質素倹約質実剛健に生きていこうと思います。


今日の記事はまともだ。