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スキップ (新潮文庫)

北村薫『スキップ』新潮文庫

高校生くらいから気になって気になって仕方がなかった本を読みました。

上司が古本で買ったのを捨てるとなったのでもらったのです。

17歳の高校生の私、真理子は転寝をしてしまった。目を覚ましますと、42歳の真理子になっていた・・・

以下、ネタバレです。

17歳のままの精神が、42歳の自分の体にスキップしてしまった話です。

17歳のみずみずしい感性がいきなり42歳の自分になってしまって、しかも自分と同い年の子供まで居て、知らない中年のおっさんと自分は結婚していることになっていて、高校の国語教師・・・という設定だけ聞くと壮絶な話。

でもとても面白かったです。高校生ってこんなんだったなあと思いだしながら読むことができました。そりゃ17歳から42歳に時をすっ飛ばしたらわけわかめでしょ！？自分の青春返せー！って感じですよね。

実際、本文中には何回もそういう主人公の心情が吐露される場面があります。目の前には自分と同い年の子らが楽しく学園祭や球技大会をしてるんだから。

でもこんな認めがたい世界で前向きに生きていくことってすごい精神力だと思います。昭和じゃなくなってもう平成という聞いたこともない年号なんだから。これを読みながら帰ってきたんですけど、駅に降り立った瞬間変な錯覚に襲われました。

印象的だったのは、風景の描写ですかね。観たまんまを絵に切り取ったように書いていく。なんかそうされることでその時の心情が伝わってくるようです。

ターンが読みたいですね。気になります。

ターンってある日の交通事故を境にずっと同じ日を繰り返すという話なんだそうですが、スキップとターン、まさにキング・クリムゾンとゴールド・エクスペリエンス・レクイエム！！。特ニ真実ニ到達シナイ。