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- 作者: 岩井三四二
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2007/08
- メディア: 単行本
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岩井三四ニ『清佑、ただいま在庄』
時は室町後期、京都の大寺の代官として和泉国坂巻庄に赴任した僧清祐。
現地では、かんばつや儀式、近隣地頭との戦い、庄民との駆け引きの日々が始まる・・・
とまあ、マニアックなテーマの小説です。でもこれ、結構面白いです。
時代考証なんかは割りとしっかりしていて、読んでいて当時の風景が甦ってくるような感じです。荘園を管理するのは現地の預所とか政所というのですが、そこでの暮らしや、政所にやってくる庄民たちが描かれています。
旱魃や水害に見舞われる荘園、旱魃や水害を止めるために行われる怪しげな儀式、湯起請、地頭の不穏な動きなどなど短編になっています。
どの話も知りきれトンボな印象をぬぐえないのですが、その時代時代の庶民は何をしていたんだ!?と思う方は読んでみたらいいと思います。信長や秀吉の歴史では描けない、当時の生々しさを感じることができるかと思います。