六番目の小夜子 (新潮文庫)

六番目の小夜子 (新潮文庫)

恩田陸六番目の小夜子

後輩にもらった本、ようやく読み終えたよ。


ってかこれおもしれえ!!恩田陸の作品初めて読んだけど、かなりおもしれえ!!伊達じゃねえ!!


とある地方の高校にやってきた謎めいた転校生、津村沙世子。その学校では3年に一度「サヨコ」と呼ばれる生徒が選ばれるのだ。今年は六番目のサヨコが選ばれる年だった。


っていう感じの話なんですけどね。とある高校では話が始まるので、主人公は高校生。

瑞々しく初々しい青春と、学校という入れ物の中で語り継がれる謎めいたサヨコを巡る物語。


なんかとっても面白かったです。高校生の心理と、その高校でこっそり受け継がれている伝説っていう設定。


そのサヨコも3年に一度しか現れない。その年の始業式の日、サヨコが出たクラスには赤いバラをいっぱいに生けた花瓶を飾るという風習。サヨコはばれないでその一年を無事に過ごせるか。


それが全校生徒が全部入れ替わる3年に一度行われる。その年の学園祭には、サヨコの演劇をやることになっていて、サヨコが台本を書いてくることになっており、新しい台本が採用されると校庭の桜の木に赤いテルテル坊主がつるされる。


誰も知っている生徒がいないのに、もう18年も受け継がれている伝説。


それを受け継いでいる高校生。


高校生って、いろんなことに敏感で鋭い感性を抱いている。

高校生は、中途半端な端境の位置にあって、自分たちのいちばん弱くて脆い部分だけで世界と戦っている、特殊な生き物のような気がする。


高校生ってこういう生き物だと思う。だから敏感なんだと思う。


読みながら自分の高校時代のことを思い出していた。


とても楽しかった、あの頃。すごく楽しかった。毎日友人とバカやりまくっていたけど、いろんなことに熱くなれた時期だった。いろんなことが珍しくて毎日が活き活きしていたような気がする。


少なくとも今よりは、日々を生きることに前向きだった。というより、毎日を生きていたような気がする。


そんな新鮮な気持ちを思い出させてくれた本でした。