ついに小説にも手を出してしまいました。でも面白かったです。さらにこれでまたファンとしてのレベルを上げました。

 一言:富野文章下手。でも「ガンダム」らしさが出てて、興味深かった。


 この小説は腐敗した地球連邦政府に対して、ハサウェイ・ノアことマフティー・ナビーユ・エリン率いるマフティー軍がテロを行うというストーリーです。


 Ξ(クスィー)ガンダムを操るハサウェイと敵モビルスーツとの戦いも見ものです。ただなによりこの小説で特徴的なのは、絶対民主制をひく連邦政府の腐敗に対して、汚染された地球そのものを開放すべく連邦政府に対してテロを起こすという、構図ではないかと。

 これまでもガンダムでは地球の汚染や政治腐敗といったテーマを含ませていましたが、富野氏は小説という手法を用いることで、よりエグく、人間のエゴ丸出しの汚さを描いています。テレビでここまではやりにくいでしょう。

 ハサウェイはその中で、腐敗した組織に立ち向かう、ある種の理想主義を追った人間、潔癖すぎる人間として描かれます。

 ヒロインともハサウェイはいろいろあるんですが、最終的に彼の潔癖さゆえに彼女を見放し、ハサウェイは悲惨な結末を迎えることになります。


 それでも組織は変わらない。だから閃いた光という副題を与えられるんでしょうね。所詮ハサウェイのとったことは閃光でしかなかった。


 富野氏が作る「ガンダム」という作品の暗部を、この小説で吐き出した、そんな作品だと思います。



 最近、読書→教習→読書→教習というサイクルを繰り返しています。これでは私が腐敗してしまいます。もっと気合入れて生きていきましょう。