筆者はまだ国外に出たことはない。近代主権国家である日本国が統治する範囲外に出たことはない。琉球なら行ったことはあるが。


 筆者が一生のうちに一度でいいからアイルランドに行きたいと思うことがよくある。結婚して新婚旅行に行く余裕があるのならぜひともアイルランドに行きたいのだが、きっと相手が許してくれないだろう。「どうせウイスキーの蒸留所ばっかり回るんでしょ」といわれ(確かに行きたいが)、金もかかるし無理だそうな。


 アイルランドは日本からは確か直通便がなく大ブリテン島及び北アイルランド連合王国で乗り換えないとアイルランド共和国には渡れないはず。それでもアイルランドに行きたい。


 なぜそうまでしてアイルランドに行きたいのか。矢井田瞳『daiya-monde』というCDがあるが、そのCDジャケットはアイルランドで撮影されたそうだ。

daiya-monde(ダイヤモンド)

daiya-monde(ダイヤモンド)


 彼女の公式HP上で公開されている日記『サイキンノヤイコ』にあったように記憶している。そのジャケットにはアイルランドの美しい氷山?ともの淋しい草原にヤイコが座っているというものだった。


 荒涼とした雰囲気の草原の中でほんわり暖かそうなヤイコが座っている。もちろんアルバムの中の曲とも大変マッチしていて筆者が一番好きといっていいアルバムである。


もし僕らのことばがウィスキーであったなら (新潮文庫)

もし僕らのことばがウィスキーであったなら (新潮文庫)

 この本に影響されたのもあるだろう。村上春樹の著作はこれしかもっていないが、このエッセイを読み、益々アイルランドスコットランドにいきたくなってしまった。


 淡々とウイスキーアイルランドスコットランドについて述べているが、随所にアイルランドを偲ばせる写真や表現を用い、美しい(と思われる)彼の地を描き出している。


 「ああ、アイルランドの緑はなんと鮮やかで、なんと広く、なんと深かったのだろう」と村上春樹は感慨に浸っている。大きな感動ではなく、癒しとか鎮静をもたらしてくれるのだそうだ。


 そんな荒涼とした雰囲気のところに一度行ってみたいというのが、一番の理由であろうか。なにもないけど、そこには大きくて静かな自然がある。


 ざわざわと胸騒ぎがしそうなくらい広大でかつ美しい空間の中で、ふっと自分自身を見つめてみる。そんな夢を抱いておるのです。

 

他にもダブリンの歴史的建造物やアイリッシュウイスキーの蒸留所やギネスビールの醸造所にも足を運んでみたいし、格別有名な料理はないが本場の味を確かめてみたかったりもする。小泉八雲は「日本とアイルランドは似ている」といったそうだが、おそらく日本の民俗や神道を見てそういったのだろう。


 アイルランドにも未だに妖精が住み着いているそうで(雰囲気の問題として)、ケルトの習俗や文化、音楽など本場の空気を味わってみたいのである。



 似たような雰囲気を感じるところでは、スコットランドが近いような気もするが、やはりアイルランドととは似て非なるものなのだろう。


 予備知識があまりないのでよくわからないが、兎に角、一生に一度でいいからアイルランドに言ってみたい。一応英語で通じるみたいだし、日本で言えば北海道くらいの大きさらしいから、なんとか廻れるはず。なんどもいうが、一生に一度でいいからアイルランドに行ってみたい。