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- 作者: 三島由紀夫
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2002/12
- メディア: 文庫
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そういえば、三島由紀夫『奔馬』(豊饒の海第二巻)を読了しました。
「正に刀を腹へ突き立てた瞬間、日輪は瞼の裏に赫奕と昇った」
「天と地を結ぶには、何か決然たる純粋の行為が要るのです。」
こういう話ですね。主題は「純粋」。
正に奔走する馬でした。汚れを知らない勲くん。ただ財界・政界の国賊どもを誅罰せんと同士を募り、駆けていくも計画は頓挫、それでも一人財人を誅す。
なんかこんな風には生きられないなと思いました。とてもこんな純粋に、自分の気持ちに正直に、生きていくことは凡人では出来ない。そう思いました。
たとえ世の汚さ恐ろしさを知ったとしても、こんなふうに純粋に生きていけたとしたら、思い残すことはないのでしょう。渾身の作品とはこういうものを言うのでしょう。
昨日は雨と夢のあとにをみました。来週で最終回だそうです。黒川智花ちゃんが最高にかわいいです。本編での内容より予告に泣きそうになりました。なんとも悲しい話ですね。
なんだかここのところ体調が思わしくありません。気持ちも沈みがちです。なんかこう、梅雨の京都というのは空気が重くて、空が低いんです。京都盆地全体が圧迫感を持っているような、そんな重苦しい気分にとらわれてしまいます。
毎年のことなんですが、それでもそんな中に咲く紫陽花は暗闇の中の光明という感じがします。なんかもっと空間の広い、空気の重苦しくない、そういうところに行きたいです。そういう意味で関東はいい土地です。
いつも空は広くて気持ちがいい。でも人間自体に暗い影がさしているのが、関東なんですよね。